1月10日 フォロン


海外を行き来する中で見つけた大事なモノがいくつかある。これはその中のひとつ。アーティスト、フォロンの作品。彼はブリキを使う。例えばこの作品は子どもを抱く母親が一枚のブリキ板から作られていて、微妙なバランスが実におもしろい。2年前、南仏にある彼のアトリエを訪ねた時、無造作に置いてある中から見つけたもの。気に入らない人には作品を売らない主義の人なので、どうやら私はOKだったようだ。おくさんのルイーズマリーもアーティスト。彼女は布を使って本をつくっている。最近では積極的に出版にも取組んでいて、ちょうど制作中の絵を見せてもらったのだがそれがとてもいい。短い滞在ではあったがとても充実した2日間となった。作品はフォロン自らが梱包してくれていて、帰り際にその函を手渡された時は嬉しくて何度もお礼を伝えた。その後、パリ、ソウルを経由して帰って来たのだが、ずっと手荷物として携え、空港での手荷物検査のモニターに映し出された画像はなんとも不思議。検査官に「これは何ですか?」とそのたびに聞かれたことがなつかしい。