7月31日 まさかのトラブル

30日の夜の便で、ニューヨークからサンパウロへ。ところが自動搭乗を試みるも画面には「警告」のサインが。係のヒトに確認すると「ビザが必要だ」と言う。「えっ、ビザが?」…。出発直前に届いた一通の招待状を見せ事情を説明。主催者からはこの書類を空港で見せればOKだと言ってはいたが…。カウンターでは「ダメ」の一点張り。「私たちはポルトガル語が読めない」と、決してフレンドリーな対応ではない。携帯もここニューヨークでは使えず、ましてやサンパウロの主催者に連絡をしなくては。「電話を」と交渉するも「1回だけなら」とやっと許可がおり、主催者に電話が繋がる。事のいきさつを伝えると「OH NO」と彼女も絶句。とにかく今夜は飛行機をキャンセルしなければ。また列に並び、次回の便の予約を試みるも、今度は空席がない。「スタンドバイでも構わないから」と交渉し、2日遅れの便をなんとかおさえた。さて次は今夜の泊るところを探さなくては。そう言えばと思い出し、折しもパリから来ているエリザベットの滞在先の電話番号を見つけ、「電話を」と交渉するも、またしても「ダメ、私たちは忙しいのよ」と言われ、あちこちと空港内を歩き、なんとか電話にこぎつけたがエリザベットは不在。友人のフランソワーが「こちらにいらっしゃいよ」と、とても親切に対応してくれ、すぐに空港から地下鉄にのり、15丁目にある彼女のロフトへ。たどりついた時には、すでに夜の10時をまわっていた。ご主人が建築家で、改装されたロフトは素晴らしい。パスタもご馳走になり、そのうちエリザベットたちも帰宅。悪夢から一転。楽しい談話となった。

さて翌日。朝一番にブラジル領事館へ。ところがネットで調べた住所にはすでにオフィスはなく、7年前に引っ越したという。「嫌な予感」…。50丁目の5番街から47丁目の6番街へ向かう。中に入るとヒトでゴッタ返し。事前にブラジル側から領事館に交渉済みと聞いていたので、事情を説明、するとすぐに係の女性が窓口に現れ「アプリケーションフォームと写真と郵便局で作られたマネーオーダーが必要なの」と一切の愛想もなく対応。オフィス内にあったコンピュータでアプリケーションフォームを入力し、さて次は写真。渡されたカードにその場所が記され、今度は5番街へ向かう。行くと、小さなオフィスがあり、おばさんが待ち受けていた。「ブラジルのビザ用の写真を」と伝えると、小さなデジカメを取り出し、ごく「フツー」に撮影。その後プリントアウトされたものをカットしてくれたのだが、これが真っ直ぐではなく曲がっている。ビザの発行には最低1週間はかかると言われ、とりあえずマネーオーダーの金額と郵便局の場所を確認し、今度は43丁目にある郵便局へ向かう。いつもながらの長い列が待ち受けていたが、辛抱強く並び、そして「$160」のマネーオーダーを作成。ひとまず準備もでき、空腹感もあり、33丁目にある韓国レストランで「ソーロンタン」を食べることに。

明日の朝、書類を提出すればいいと思い、ひとまずフランソワーのロフトに戻ってくると、留守中にブラジルから電話があり「今日中に領事館へビザ申請の書類を提出してください」との伝言。急いで領事館へと向かう。またしてもヒトでゴッタ返ししているも、今度は少し待遇に変化が。先ほど窓口で対応してくれた女性がすぐに出てきて「どうしてすぐに来なかったの」と厳しく言われ、さらに書類やマネーオーダーを渡すと、「これではダメ。日本人の場合は$60でいいの。作り直してすぐに来てください。写真もここにノリで貼って、サインをここに。オフィスは4時で閉まるから」……。しばらく絶句するも気を取り直し、また43丁目の郵便局へ。長い列に再び並び、マネーオーダーを作り替え、また47丁目のオフィスへ。「あっ、スティックのりがいる」と途中気付くも、それらしきお店がない。破れかぶれに入ったFEDEXのお店に、なんとスティックのりが売っていた。「ラッキー」…。このあたりから気分がポジティブに変わってきた。今日はこれで3回目になる領事館オフィスに行くと、先ほどの女性が窓口に現れ、書類を渡すと「OK。明日11時にビザをとりにきてください」と、最後にしてやっと少しの笑みを浮かべながら対応してくれた。なんとかビザはOKとなった。帰宅後に、再度、航空券の予約を確認すると、キャンセル待ちのスタンドバイではなく、正式な予約を確保することができた。

今日はマンハッタンを行ったり来たり。やり直しや間違いもいろいろあったが、なんとか乗り越えることができ、明日の夜、サンパウロへ向かうことができる。予定されていた1日目のコンファレンスには出席できなかったが、替わりに文書を作成しメールで送り、明日の夜にニューヨークを出発できることを伝えると、すぐに主催者から、安堵とお礼を伝えるメールが返ってきた。