10月25日 マルセイユ

マルセイユでは、コルビジェが1935年に建築した集合住宅が、今では「Hotel Le Corbusier」となっており、その一室に一晩泊まることに。当初は労働者階層に向け進められていたものが、一度中止になり、その後アーティストや教師などがアパートとして住むようになったという。コルビジェは、当時マンハッタンの高層ビル化に異を唱えており、集合住宅の周囲には緑の公園を配し、まるでムカデの足のような何本もの柱で建物を持ち上げ、建物の地面そのものが有効活用できるようになっている。

ホテル内には、ギャラリーやアーティストのアトリエもあり、今回のワークショップも、やはりホテル内にある書店「imbernon」からの依頼で行なわれた。ワークショップは、書店の前にある長い廊下を使って行なわれ、賑やかで楽しいひとときとなり、書店には、数々の建築の本に混ざって私の本も販売されており、ワークショップ終了後には急遽サイン会がはじまった。たくさんの人が列に並んで本を購入し、お店の人たちもとても満足そうだった。すぐにランチをとる暇もなく、次の会場になる「イタリア文化センター」にバスで移動する。

ワークショップ終了後は、港のすぐそばにあるホテルにチェックイン。しばし夕焼けを楽しみ、夜は主催者たちとの会食に出席。ホテルの近所にあるイタリアンレストランでの夕食が始まり、確か「カラマル?」と呼ばれていたイカの揚げ物は最高においしかったのだが、ひとつ気がかりなことは、通訳のコリーヌが風邪で体調を崩し、会食を一緒にできなかったこと。彼女とはずっとワークショップも一緒にやってきて、私の英語にも一番慣れている人。明日からはプロヴァンスへ向かい、美術学校の生徒たちとの授業が一週間行なわれる。是非にも快方に向かって欲しい。